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QBBチーズの可能性を広げたい。ブランドを体験する試食会を通じた新しいモノ・コトづくり

「地域の情熱たちと、未来をつくる。」をパーパスに掲げ、さまざまな“共創アクション”を仕掛けたいと福岡市天神の九州博報堂本社内に誕生した九州しあわせ共創ハブ、通称Qhub(キュウハブ)。今回は、QBBチーズでお馴染み六甲バター株式会社福岡営業所髙木崇至所長と堀尾あずささんとの共創で「Q・B・Bチーズ試食会」を実施させていただきましたので、その様子をレポートさせていただきます。

――モノ・コトづくり集団との共創で可能性を広げたい。 

これまで博報堂グループとともに、さまざまなプロモーションを手掛けてきた六甲バター株式会社の髙木崇至さん。福岡営業所・所長に着任したのをきっかけに、九州でも面白い仕掛けができないだろうかとQhubでの試食会が実現しました。 

「お客様の9割以上が量販店やスーパーマーケットなどの小売業界。今も小売業界を中心に商談を重ねていますが、皆さんにいろいろなアイデアをいただくことで、私たちの凝り固まった考えから脱却したいと本日のような機会をいただきました。まずは、六甲バターの商品を試食していただき、こんなプロモーションを展開すれば可能性が広がるのではないか、こんな販路もあるよ、とアドバイスいただけたらと期待しています」と髙木所長。 

開始時間が近づくと、九州博報堂の各部署から続々と人が集まります。参加したのは、九州各地に幅広いクライアントを持つプラナーをはじめ、マーケティング、プロダクツ、メディア、ライター、総務など、計18名。クリエイティブに携わるメンバーを中心に、率直な感想やアイデアを集められるのも今回の試食会の特徴です。最初に髙木所長より、六甲バター株式会社の紹介を受けました。 

――六甲バターの意外な社名の由来や歴史に触れる。 

「六甲バターは、六甲山の麓に本社を置く食品メーカーです。チーズの製造販売をメインにしており、神戸と長野に生産拠点を持ちます。社名にバターとありますが、実をいうと一度もバターを製造したことはありません。先にお詫びさせていただきます」 

髙木所長のまさかのカミングアウトに笑い声が広がり、場が一気に和みました。平和油脂工業株式会社として1948年に創業以来、マーガリンを製造していた同社でしたが、その当時は「マーガリン」という一般名詞がなく、「人造バター」と呼ばれていたため、1954年、六甲バター株式会社に社名を変更したまま現在に至るそうです。 

1958年には、豪州クイーンズランド州から輸入した原料でプロセスチーズを生産。その際、豪州からQBB(クイーンズランド酪農公社)のブランドをそのまま使ってはどうかと打診を受けてQBBチーズが誕生したことや当時の高級品だったチーズを家庭で気軽に食べて欲しいと1960年には世界初のスティックチーズ、1970年には個包装のスライスチーズを生み出すなど、業界のパイオニア的存在であることを教えていただきました。

さらに、1972年にはQBBブランドでナッツ市場に参入。その後もレアチーズケーキやベイクドチーズケーキ、新食感のチーズアイスクリームを開発するなど、商品群を増やし続けています。 

六甲バターと博報堂グループの関係は深く、QBBブランドのタグライン「おいしいって、生きること。」の考案に携わったのも博報堂グループでした。チーズデザート6Pシリーズのキャラクター選定からプロモーションを担当。QBBベビーチーズが50周年を迎える際には、スケートボードの東京五輪女子ストリート金メダリスト・西矢椛さんと男子の白井空良さんをブランドアンバサダーに迎え、東京渋谷区の宮下公園のスケートボードパークにベビーチーズの自販機を期間限定で設置するなど、さまざまな仕掛けを展開。現在は、2025年開催予定の日本国際博覧会(通称:大阪・関西万博)出展に向け、植物性のプラントベースチーズ「QBB PLANT MADE」のブランド開発に力を入れるなど、大きな事業を一緒に動かしています。 

――商品を味わいながらアイデアを巡らし、共有し合う。 

QBBブランドの歴史や最新情報、六甲バターについて知った後は、いよいよ試食会がスタート。長方形のチーズが4個入ったベビーチーズカテゴリーでナンバーワンのシェアを誇るQBBベビーチーズ9種類のほか、2019年に発売以来、インバウンド需要も順調に伸ばすチーズデザート6Pシリーズや国産本わさびのみを使用し、空港やドラッグストアなどで更なるファン獲得を目指す燻製スモークチーズをそれぞれが口にしました。 

立食パーティーのような雰囲気の中、思い思いにチーズを試食しながら用意されたお酒との相性などを味わっていきます。焼酎王国九州においてQBBチーズの新しいポジションを確立できないだろうかと、テーブルには九州博報堂の得意先を中心とした人気銘柄の焼酎やワインも並んでいました。 

「私もスケボーをするので宮下公園での自販機設置の内容がとても興味深かったです。アーバンスポーツを楽しめる場所が少ない福岡で何かしらのイベントができたら面白いですね」 

「スケボーやサーフィンといったアーバンスポーツをする人たちを応援して盛り上げていけるような仕掛けができたら」 

「エクストリームスポーツも九州では盛ん。そこで何かできることがあるといいな」 

と、アスリートの補食として推奨されるチーズだけに、スポーツシーンでの会話が弾みます。それ以外にも、 

「九州は祭りが盛ん。どんたくや山笠など、伝統に絡んでいくのも面白い」 

「空港でのプロモーションなど、インバウンド系で企画してみたい」 

など、次々と話題が膨らみ、自由闊達な意見交換やアイデア共有が行われました。 

「福岡・九州発で成功事例をつくり、関西・関東に逆輸入できたら最高ですね。気づいていないところに可能性があると思うので、盲点をついていきたい」と髙木さんも手応えを感じたようです。いつの間にか「Qhubでチーズの試食ができるらしい」と聞きつけた社員が飛び入り参加。回収されたアンケートには、目から鱗のアイデアが綴られるなど、実りの多い試食会となりました。 

 

――新しい付加価値を生み出せると確信。今後の展開に生かしたい。 

約2時間の試食会を終えた髙木所長と堀尾さんに感想を伺いました。 

髙木所長:九州博報堂の皆さんに興味を持っていただけたことで期待を膨らませることができましたし、スケボーの話しに共感していただいたり、焼酎メーカーをクライアントに持つ方と話しができたり、その中で焼酎業界でも若い人をどうターゲットにしていくかの新しい展開が求められていると聞き、シナジーを生み出せたらと感じました。 

九州は全国的に見ても価格競争が激しい地域ですが、価格以外の付加価値をどれだけご提供できるかの提案力が大切だと考えているので、その意味でも非常に有意義な時間となりました。 

堀尾さん:普段はこんな機会がまったく無いため、いろいろな方の意見を聞くことができて、凄く新鮮な気持ちになりました。 少しでもフィードバックしたい、何かカタチにしたいという気持ちが大きくなりましたね。 

健康志向の方のために成分なども注目されている部分があるので、その分野の企業様と新しい切り口で何かできると面白いと感じましたし、皆さんと会話を広げていく中で、ワクワクするようなことが生まれそうだと今後が楽しみになりました。 

 

――おわりに

このような試食会は、QHubとして初めての試みでしたが、私たちがめざす“共創”とは、まさにこのようなきっかけから生まれるものかも知れません。 今ある課題を解決するための提案も大事ですが、それよりもずっと前からあるお客様の潜在的課題と向き合い、お客様の事業に一緒に参画していくスタンスを持つことで、本当の意味での“共創”をカタチにできると考えています。髙木所長、堀尾さま、今回はありがとうございました。

TEXT BY

osamu soeda
副田 治

九州しあわせ共創ラボ 所長

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