2021年8月22日にオープンした西日本最大級のeスポーツ施設「esports Challenger’s Park(チャレンジャーズパーク、略称:チャレパ)」。施設を運営するQTnetにて、eスポーツ事業を担当している西田氏にお話を伺いました。 (*9月時点のインタビューです。)
前編では、西田氏がeスポーツに関わることになった経緯や、
施設のコンセプトについて語ります。
-西田さんがeスポーツ事業に関わることになったきっかけは?
一番大きなきっかけは、私が2020年4月に現在所属しているYOKAプロ部に異動したことです。YOKAプロ部は、QTnet内にて新規事業の開発をする部署になります。 異動前は当社インターネットサービスの構築や保守運用をメインに担当していましたが、異動をきっかけにeスポーツ事業に関わることになりました。 その後の2021年4月には、YOKAプロ部の中でeスポーツを専門に取り扱う“eスポーツ事業グループ”が新設され、事業の重要なポイントとなる施設開設に向けた準備が始まりました。
-当時にeスポーツの知識はどのくらい持っていたのでしょう?
当時はeスポーツ事業に関しては完全に未経験でしたね。勉強するために本やWEB記事を読み漁っていました。 実際に体験するために自分でeスポーツをする機会も増えました。今は「リーグ・オブ・レジェンド」や、そのモバイル版である「リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト」をプレイしています。最初は何がどうなっているのもわからずプレイしていたのを覚えていますね(笑)。 新規事業を立案し実行していくという事は、これまで経験したことがありませんでしたので大変なこともありましたが、ゼロベースから新規事業に携われたという経験は、非常に良かったと思います。
-チャレンジャーズパーク設立のプロジェクト発足経緯は?
eスポーツ事業に本格参入する流れが生まれたのは、2020年1月にプロeスポーツチーム「Sengoku Gaming」を運営する株式会社戦国を子会社化したタイミングです。同年2月にはeスポーツイベントを開催して、そこで「天神にeスポーツ施設を立ち上げます」という発表を行いました。それが現在の「チャレンジャーズパーク」。略して「チャレパ」の初発表です。
我々は、eスポーツ市場はこれからも伸びていくと考えています。しかし、まだ一般認知度は低いとも捉えています。そこで、eスポーツを表現するための場所が必要と考えました。
当時は「ここから福岡のeスポーツが始まるぞ!」と意気込んでいたのですが、そこで新型コロナウイルス感染症が流行してしまいまして……。当初の予定よりは遅れてしまいましたが「必ず開設するぞ!」という気持ちで計画を続けて、2021年8月にようやくオープンできました。
-「チャレパ」にはどのようなコンセプトがあるのでしょうか?
この施設は「esports together!」というコンセプトがあります。「esports together!」とは、QTnetが掲げる、eスポーツがゲームの枠を超えて、スポーツ、テクノロジー、教育、ビジネス、地域発展に結びつくためのプロジェクトです。eスポーツのコアファンだけでなく、ビギナーの方々など、eスポーツに関わる全ての人と共にチャレンジしていきたい。その想いを「チャレンジャーズパーク」という名前に込めました。
eスポーツという単語を聞くと、薄暗い場所でモニターに向き合いゲームをするというイメージを抱く人も少なくないはずです。「チャレパ」は、一般の方々にも気軽に足を運んでいただきとeスポーツをご体験頂くことで、そのイメージを変えていきたいと思っています。
「チャレパ」が位置する天神ロフトビルさんの8階は大きな窓がありまして、eスポーツ施設としては珍しい自然光が入る明るい施設です。薄暗い場所という要素を取り除くことで、普段はeスポーツに触れない方にも馴染みやすい空間にしていきたいです。
-ゲームをするeスポーツ施設としては珍しい場所にあると感じました。
天神ロフトビルには、若い方や家族連れなど、さまざま層の方がいらっしゃいます。そこに「チャレパ」を設立することで、多くの人が利用する機会に繋がり、eスポーツの裾野を広げていけると思っています。実は、これは最初から狙っていたわけでなく、場所を探しているタイミングで偶然巡り合ったため実現できたことなのですが……(笑)。
当時は、コアファンに楽しんでもらうことだけを考えていましたが、考えるうちに「これでいいのか?」と方針を練り直すことになりました。その結果、天神ロフトビルさんの中という場所に巡り合ったことも影響し、コアファンだけでなく、多くの層の人にeスポーツに触れてもらえる施設を目指すことになりました。
–「チャレパ」の紹介をお願いします。
まずは名前ですね。みなさんに愛着を持っていただくために、キャッチ―な「チャレパ」という略称になっています。
この施設は大きく7つのエリアに分かれています。メインエリアは、最大で5vs5試合が行える、200インチの大型モニターを備えたスタジアムになります。入ってすぐの場所にあるので、この施設の特徴的なエリアですね。
多くの方が利用されるのは、高性能なゲーミングPCを配備したプレイエリア。ここで一般の方にさまざまなタイトルを楽しんでいただけます。
他にも、プロ選手からレクチャーを受けられるスタディールームや、グッズショップ、カフェなど、さまざまな用途で利用できるエリアを用意しています。
↑グッズコーナーにはSengoku Gamingグッズ及び施設オリジナルグッズが並ぶ
施設の広さは610平米で、最大約170名が利用できるほどの広さと設備があります。これまで九州・西日本にはeスポーツカフェやそれに近しい施設はありましたが、ここまでの規模と設備を配備した施設は「チャレパ」が九州初になると思っています。
-施設内のこだわりの部分はどこでしょうか?
施設内のカフェは、東京の渋谷で営業されているCoffee Supremeさんに監修をお願いしています。エスプレッソメインのニュージーランドスタイルのコーヒーを、いつでも楽しめます。
eスポーツ施設という肩書きですが、カフェだけの利用も可能です。気軽にコーヒーを飲みに来て頂いた方が、施設を見てeスポーツに少しでも関心を持って頂ければ……と思っています。
まだeスポーツの女性人口は多くありませんから、カフェという入りやすい入り口を設けることで、これを機にeスポーツに興味を持つ方も増えていただきたいですね。
施設内のスタディールームというエリアでは、eスポーツビギナーや文字通り初めてプレイする方に、eスポーツの楽しさをレクチャーする場を設ける予定です。
既にeスポーツの親子教室を開催しましたが、1日20名の枠が2日間とも満席になりました。こういったイベントも頻繁に開催したいですね。
その後も家族連れの方がよくいらっしゃるのですが、お子さまがプレイエリアでeスポーツタイトルを楽しんで、親御さんがカフェでコーヒーを飲まれている、という光景も見られました。親御さんが一息つきながらお子さんが楽しんでいる様子を見守る……そんなファミリースペースのような利用もできる場所です。
-普段からPCゲームで遊ぶコアファンが魅力を感じる部分はどこでしょうか?
コアファンに満足していただける環境を準備しています。
設置しているPCは50台。CPUには「インテルCore i9-100900K プロセッサー(3.70GHz 20MB)」。GPUには「NVIDIA GeForce RTX 3080 10GB GDDR6X」。メモリーは32GBと、最高レベルのPC環境を用意しています。
ご準備いただいたLenovoさんには、だいぶ無理を言って揃えていただきました(笑)。ゲーミングデバイスは、ロジクールさんのキーボード、マウス、ヘッドセットを揃えています。
また、我々の本業は通信事業ですので、それを活かした快適なインターネット回線もこの施設環境の大きな魅力の1つですね。最高の環境、最高の回線でeスポーツを楽しんでいただけます。
8月上旬には、大学や高校のeスポーツ部の方々、eスポーツ学科がある福岡デザイン&テクノロジー専門学校「TECH.C」の生徒さんをお招きし、実際にプレイした感想をお聞きしました。そのときには、期待通りの反応で喜んでいただけましたね。

購入したポイントは、6カ月間であればいつでも利用可能なので、複数回に分けて3時間分の利用をする……といった使い方もできます。1ポイント単位で使用できますので、短時間でも長時間でも利用しやすい料金体制になっています。
また、QTnetユーザーの方は20%オフの特別料金で利用可能です。受付ではQTnetが提供するインターネット回線の契約相談も承っているので、ご検討中の方はお気軽にご相談いただければと思います。
※割引対象となるQTnetユーザーについて、その他の詳しい料金内容は公式サイト(https://challepa.jp/price/)をご確認ください