<総合的な探究の時間>
突然ですが皆さん、
2022年度から高校では「探究」という科目が始まる事をご存知でしょうか。
これまでは、「総合的な学習の時間」いわゆる「総学」という科目があり、教科にとらわれず総合的な課題に取り組む時間が設けられていました。それが2022年度から「探究」を中心とした総合的な学習へと変更がなされています。ここでいう探究とは、生徒が主体的に課題を設定し情報の収集や整理、分析を行うことを言い今後ますます進む技術革新やグローバル化により社会が大きく変わる中で自らキャリアの方向性を決めていかなければならない高校生に対して、必要な能力を総合的な探究の時間で高めようとしているのです。
今回は、そんな総合的な探究の時間を先駆けて実践している
福岡市立福岡西陵高校(以下福岡西陵高校)さんの「アイデア屋」という授業に参加させていただいたので、ご紹介します。
<アイデア屋とは>
福岡西陵高校さんで2019年からスタートしたアイデア屋。それは高校生がクライアントにとっての「アイデア屋」となり課題を解決する策を、考えるという取り組みです。1つの課題に対し年間を通じてチームで考え、最終的にクライアントに発表するという、まるで広告会社の業務のような授業となっています。また、クライアントというのは企業。その企業の抱える課題や地域における課題を共に考え社会性を身につける場を作り出しているのです。
「九州の情熱たちと未来を作る」というパーパスを掲げている九州博報堂。このパーパスに込められた「未来」を担う、学生という「情熱」に共感し、本年度より参加させていただきました。
今回は①オリエンテーション②中間報告③発表会という全三回の工程の初回、オリエンテーション会に参加してまいりましたので、そちらの内容を一部ご紹介します。
<6月24日 オリエンテーション会>
企業の担当者は待合室で待機し、生徒の方に教室まで案内してもらい授業スタート。
お互いの挨拶を行いさっそくオリエンテーションを行いました。我々九州博報堂は「関東や関西の大学生が福岡の企業に就職したくなるようなアイデアを提案してください」という課題を提示しました。
講義中には、「なぜ私たちがこの課題を提示したのか。」「現在、社会ではどんなことが起こっているのか。」「どんなアイデアを提案してほしいのか。」などをスライドを用いて紹介しました。
↑皆さん丁寧にメモを取り、真剣に取り組んでくれています。
こちらからのオリエンテーション終了後はグループに分かれ質疑応答の時間が設けられました。その中には例えば「企画を考えるうえで留意する点は?」「アイデアを考えるうえでヒントになる土台は?」などの今後の取り組みにむけた質問や、「これまでどんな仕事をされてきたのか」などの企業自体への質問が飛び交い非常に盛り上がりをみせました。
チームで作業することで協調性を育み、疑問点を主体的に考え、どんな情報が必要なのかを分析する。まさに「探究」にふさわしい時間を共創することが出来たと思います。
そして、質疑応答終了後は再度スケジュールを確認し終了。
これから生まれる生徒の皆さんのアイデアに期待を膨らませながら学校を後にしました。
<最後に>
このアイデア屋というプログラムは、地域の企業と生徒の繋がりを作り出し、生徒が実際の社会に触れて将来を考えるきっかけとなる取り組みになりそうです。産官学が連携することで、地域内の交流を活性化させ未来を育てる。この大切さを我々も感じることができました。
さて、今後のアイデア屋についてですが、中間報告会、発表会とそれぞれの様子も、このQラボ内で発信してまいります。是非お楽しみにお待ちください。