よろしくお願いします。なんでも聞いてください。

大学一年生の時なんですけど、たまたま本屋に行ってコピーの公募のポスターに出会ったんです。「鉛筆一本で百万円」って書いてあったんですよ。

そう。なんて美味しい話だと思ってまんまと興味を持って（笑）。

はい。書いて送ってみたら「一次予選通過」だったんです。

そうですね。まぁ一次予選だから大したことないんですけど。なんか得意なことが見つかった気がして、のめり込んだんですよ。

コピー年鑑って、１年分の活躍したコピーを集めた分厚い本あるんです。これを大学の図書館で見てたりしましたね。たぶん大学で借りてたの僕だけだと思うんですけど（笑）

そうですね。だから余計アイデンティティになって。これ楽しいな、俺コピーライターとして生きていこうと思って。コピーの学校行ったり、色んなことを勉強して今の会社に入りました。

これ、コピーライター1人1人によって違うと思うんですよ。コピーだけ書くコピー1本で勝負するような人。僕はこういう方をストレートタイプと呼んでいます。

そうですね。それに比べ僕自身はコピーも書くしCMもデジタルもイベントも考える変化球タイプだと思っています。

昔はそうでしたね。CM、ポスターなど型が決まってましたから。最近は時代の流れ的に、クリエイティブの幅が広くなっているので、変化球タイプは増えていると思います。

会社というよりも1人1人ですね。コピーライターやデザイナーなど、広告クリエイターは良く「個人商店」って言われてるんです。

そう会社にはいるんですが、組む相手や仕事を自分で選ぶんです。自分がどうしたいかでキャリアを作っていく感じがあるので、コピーライターそれぞれで仕事の幅も違うと思います。

たくさん量を考えられることだと思います。

そう。コピーライターは若い頃、打ち合わせに「１００本コピー持ってこい」って言われるんです。

この量が質に変化し、良いコピーを書けるようになっていきます。

今はそこまで出さないです。でもそれって、１００本考えていないということではなくて、頭の中で「このコピーはないな」と判断できるようになっただけなんです。

頭の中では大量に考えてるけど、出す前にないものは切る感じですね。

コトバって誰でも使うものじゃないですか？その中で差別化してプロとして生きていくためには圧倒的なコトバの思考量が必要だと思うんです。

これもさっきの話にも通じるんですけど、とにかくアウトプットを大量にすることが大事かなと思います。

例えば公募に出したり、今ならTwitterに呟いて反応を見たりするもの良いと思います。140文字を、キャッチコピー20文字ボディコピー120文字などと考えてみるといい訓練になると思います。

なかなか募集は出てないですよね。

なるほど。

僕は遠藤くんが一度やりたいようにやってみるといいと思います。

というのも、僕自身、遠藤くんと同じ学生で、絶対コピーライターになる！と決めてたので。ただし・・・

覚悟は持ったほうがいいかなと。

僕は、コピーライターになるためにはいくら遠回りしてもいいと決めてました。まずは営業でもいいから広告会社に入って職転を狙うとか。どんなに小さな会社でもコピーライターになれるならいいとか。

結果的には、運よく新卒から今の会社でコピーライターになれましたが、覚悟はあったんです。だから、その覚悟があれば自分を信じて突き進んでいいと思います。

もうちょっと愛想が良くてもいいんじゃないかなと（笑）

いや分かるんです。僕も遠藤くん位の年齢の時に、クリエイティブ能力があれば、コミニュケーション能力はいらないと思ってたから。

それは、キッカケがあって、コピーの師匠に言われたたんですよ「中村、コピーを上手くする前に、まず人として愛してもらえるようになれ」って。

いや、実際はコピーにめちゃくちゃ厳しいんですよ？ダメなコピー持って行くと空気がピリついてましたし（笑）

でもそんな人に「愛してもらえるようになれ」って言われたことが大きくて。

今思うと、いいヤツだなと思われるとまず仕事に呼んでみようってチャンスが与えられるんです。そうすると結果場数を踏んでコピーも成長しやすい。

スカしたちょっと実力の高い子がいたとして、それより実力が劣ってた子がいたとしても、チャンスをもらい仕事が多い環境で実力が磨かれると結果超えたりすることもあると思うんです。

もちろんコトバのチカラを磨くことも大事なんですが。その笑顔も大事だと思います（笑）