Qラボ 九州しあわせ共創ラボ

インタビュー INTERVIEW
− 九州で、社会の第一線で活躍する人から学ぶしあわせのカタチ −

インタビュー INTERVIEW
− 九州で、社会の第一線で活躍する人から学ぶしあわせのカタチ −

vol.1

竹下製菓株式会社
代表取締役社長 竹下真由さん

初回は、今年4月にアイスクリーム「ブラックモンブラン」で知られる竹下製菓株式会社の
5代目社長に就任した竹下真由さんにインタビュー。
4歳から1歳まで3人の子どもを持つ母でもある竹下社長に、公私ともに忙しく働くご自身の暮らしぶりについて伺いました。

今回、しあわせについて調査をしたところ、九州の人のしあわせ度合いが高いことがわかりました。
じつは、“世界一住みやすい都市”といわれる東京の人と同等のしあわせ度なんです。
それについて率直なご感想を教えてください。

とくに違和感はないですね。首都圏と比べると収入は少ないかもしれませんが、
みんながしあわせに暮らしているのは素敵なことだと思います。
個人的に思うのは、子どもが沢山いる家庭が普通なのが良いところかな。
私は以前東京に暮らしていましたが、あっちでは何人も子どもを持つイメージができなかった。
周りに子沢山の家庭が少なかったからだと思います。
佐賀では、私の感覚だと3人以上子供がいらっしゃる家庭が多い印象です。

バルーン

九州は子沢山の家庭が多い。高齢化社会が問題視されるなかでとても良いことですよね。

そうですね。うちの会社も、3人以上子供のいらっしゃる家庭が多いですよ。
私の住む佐賀県はクルマ社会で、公共交通機関が発達していないのは不便だなと思っているのですが、
その分駐車場が充実していたりして、クルマが使いやすくなっています。
子どもが沢山いると移動が大変なので、クルマが便利ですね。
普段の生活もクルマ社会の方が楽だと思いますし、土地も沢山あって一戸建てを持つのが現実的です。
マンション住まいだと、子どもが騒がしいことも気になると思いますが、一戸建てなら安心。
それに、首都圏よりも子どもを預けやすい環境にあると思います。
保育園にも入りやすいですし、実家が近い方が多いので、両親のサポートも受けやすいです。
そういった意味で九州は、子どもを育てる環境としては良い気がします。

子どもが沢山いて、しあわせだと思うのはどんな時ですか?

子どもが集まって遊んでいる風景をぼーっと眺める時です。ものすごくかわいいな〜と思いますね。
3人で協力し合って何かをしていたり、私が必要になった時に
みんなでワラワラとかけよってきたりする時は、何ともいえない幸福感があります。

東京から故郷である佐賀へ戻ったきっかけも、子育ては関係していますか?

そもそも、東京でみっちり仕事をしていたものの、将来必ず帰ってきたいと思っていました。
結婚や出産をすることはずっと考えていたことですし、佐賀で子育てがしたいと思っていました。
自分が一人っ子だったこともあって、今は3人子どもがいて充実した毎日です。

なぜここで子育てがしたいと考えていたんですか?

自然が好きだからですね。私、山や川で遊ぶのが大好きだったんですよ。
やっぱり、子育てに対する考えというのは自分の経験が大きく影響すると思います。
東京都内も当然大きい公園などがありますが、もっと身近に田んぼとか、
作られたものじゃない山とか川とか、天然のものがある環境の方が私は望ましいと思います。
昔、私がよく親と行っていた公園や川に、今は子供と行きます。
夏は田布施川によく行くんですが、そこには近くに住む子どもたちが集まってきています。
東京や都会で得られる人生経験は代えがたい価値あるものだと思っていますが、
子育てという点では今の環境にとても満足しています。

牛

今回の調査では、東京はしあわせを感じる瞬間が比較的多いのに比べ、
九州は幸せを感じる機会が少ないという結果が出ました。
どちらの土地でも生活してきた竹下社長は、これについてどう思いますか?

私個人の印象としては、東京はあらゆる誘惑が待っている場所です。
だからこそ、何か欲しいとかどこかに行きたいとか思う場面がたくさんありますし、
自分の願望を叶えて満足感を味わう機会もたくさんあると思います。
そこでしあわせになるには、ある程度裕福な方が有利な印象があって、東京だと、
身なりや生活スタイルから伝わってくるような気がします。地方は分かりにくい気がしますね。
形にできない、精神的なしあわせの方が多いのかなと思います。
地方は、自然環境や地元の新鮮な食べ物は都会以上にたくさんあるのですが、たとえば洋服などは、
いろいろあるわけではありません。そういうものは、地方では「ない」のが当たり前なんです。
もちろん本当にほしいものがあれば福岡まで行けば大抵のものは手に入ります。
でも普段ここで暮らしているといろんなものが「ない」ことが普通なんです。
そうすると他と比べないから、あるもので満足するんですよ。

改めて地方に住む魅力とは何だと思いますか?

出身者は、故郷での思い出が多いのでよく知っている場所で暮らしやすいことが
魅力ともいえるのではないでしょうか。
あとはありきたりですが、食べ物や空気、水がおいしい。
地域の人と人の繋がりが濃いのも、魅力ですね。

「地域の人と人の繋がり」とは具体的にどんなことですか?

子どもが保育園に行く途中に、よく近所のおばさんやお店の人たちと話すみたいなんですね。
子どもからその時のエピソードをいろいろと聞くんですが、
子どもの成長を見守ってくれる大事な存在だなといつも感じています。
周りの人が子育てを助けてくれている安心感を、私は勝手ながら持っていますね。

黒豚

これまでどんなエピソードがありましたか?

とくに、年長者との触れ合いが印象的ですね。
例えば、八百屋の方に、野菜や果物を味見させてもらったりすることもあるみたいで…。
旬なものを知らずしらずに、子どもが知識として身につけていたりします。

経営の面で大切にされていることはありますか?

自分だけでなく、みんなが笑顔になる会社であるよう働きやすい環境づくりを心がけています。
私はお菓子屋さんのイメージとして、「ワクワクする場所」、「うれしい場所」というのがあります。
だからそのイメージを壊さないように、社員それぞれが仕事でも家庭でも満たされた状態であって欲しいと思っています。
そんな社員の楽しそうな姿や、お客さんがうちの商品を買って嬉しそうにしている姿を見るのが、私のやりがいです。

経営と子育ての両立のために気をつけていることはありますか?

両立はできていませんよ。でも子どもとの時間は大切にしています。
特に休みの日は、子どもと一緒に遊んで、「ちゃんと遊んだ感」を感じてもらうようにしています。

これからの九州をもっと元気づけ、もっと“しあわせ化”していくためには、
どうすればよいと思いますか?

九州にはいいところがたくさんあるので、もっとオール九州で連携した方がいいと思います。
まだ、県ごとにバラバラなところがあるので。たとえば、九州各県ごとの観光PRではなくて、
九州全体として何か観光商品を作れたらと思います。
みんなが同じ方向で打ち出せるようになれば、全国から見られるイメージも統一できますよね。
弊社でも、百貨店のイベントでまれに出展する機会があるんですが、
そこで九州全県の特産品を使った共同企画商品がいつか売り出せたらと思います。
とはいえ、物産展など行事ごと以外の日常において、安定した販路を開拓するのが難しいという現状もあるので、
すぐには難しいことなのですが…。
また、私たちのような企業が雇用を増やしていくことが大切だと思っています。

あなたにとって、しあわせとは何ですか?

家族と会社のみんなが喜んでくれること。そうすると、こころから幸せだと思える。
みんなの中にハッピーじゃない人がいると、私もしあわせにはなれないと思います。

PROFILE竹下製菓株式会社 代表取締役社長 竹下 真由

1981年生まれ。佐賀西高-東京工業大大学院修士課程修了。外資系コンサルティング会社勤務を経て、2011年竹下製菓に入社。経営企画室で製造ラインの改善などに取り組み、2014年に取締役商品開発室長となる。2015年に「朝食アイス」を発売するなど新商品開発にも注力した後、2016年代表取締役社長就任。

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桜島